私の友達が、知らぬ間にバンドをやっていた。活動をチラ見すると、何やら非常に興味深い。

働く傍らバンドをやるって、どんな感じなんだろう?きっかけとかコンセプトは何なんだろう??

色々聞いてみたかったので、CuttyScoonerの2人(ライス/岩)にインタビューしてみた!

昼下がりの都内某ルノアールにて決行。その日のルノアールもご多分に漏れず怪しげな3人組がわらわら居たのだが、我々もそう思われたに違いない…。

今回出てくる人

 

じゃ、今回の会話は、最近私たちが初めたメディア skins で記事にしちゃうね。

お、自分が最初に作った曲も《skins》って曲だったんだよ。
自分が混血だから、そういうことをテーマにしたかった。

それは縁を感じる!やっぱりアイデンティティと肌って切り離せないよね。
私も当事者として同じく。

バンド名の由来

バンド名って、何て読むのが正解?

CuttyScooner(カティースクーナー)だよ。

へぇー。名前の由来って、何?

人の名前っぽいのが良いなと思って。姓と名、みたいな。
で、曲作りするうちに、水とか波とかのイメージが出てきて。
船が進んでいく感じがいいなと思った。

Cutty(カティー)は調べてみると船の名前に使われがちな固有名詞みたい。Cutty Sark(カティサーク)っていうウィスキーあるよねぇ。あれの元ネタは、中国から紅茶を運んでたイギリスのでっかい帆船なんだけど。

“カティー” だけだと締まり無いから、Schoonerっていう “帆を張ってる船” って意味の単語を組み合わせた。Schoonerだとそのまますぎるから、h抜こうって、抜いた。SEO対策にもなるという後付けもできました。

SEO!!!たしかに、先のこと考えて賢い 笑

h入ってると見た目もごちゃってるし、うざいしね。いや、h入れ忘れた説もある。コピペしてるうちに抜けちゃったんじゃなかったっけ(笑)。まぁ、それも自分達らしいなって。

諸説ありね(笑)その感じが良いね。

バンド名は、かなり後のほうに出来たんだよね。『で、バンド名どうする?』みたいな。曲名も全曲レコーディング終盤で決まったよね。ずっと42番!35番!とか番号で呼んでた。なぜか“ライス最終”って名前の曲があって、レコーディングの時みんな笑ってたな。

(tatsukiはライスのこと)

このライントークおもろいな 笑
バンドメンバーは、もともと友達?サークル?

俺と岩ちゃん2人はサークルの友達。できたきっかけなんだけど、大学卒業して就職した後に2人とも会社に全然馴染めなくて。毎週、最寄駅の喫茶店で反省会して。笑

今日こういうことがあったんだけど…気付いたら怒られてて…と。
社会人としてこういう時どうすればいいのか、みたいなシミュレーションをずっとやってて。おれ、根はポジティブだから『岩ちゃん、分かった、こうすればいいんだよ!』とかアドバイスしたら、
岩ちゃんもその時は『あっそうか!こうすればいいのか!』って。

で、結局やってみたら『やっぱだめだった…』ってなって、一週間後に顔合わせて『いや、おれもだめだったわ』って落ち込む、みたいな笑

結局ね 笑笑笑笑 かわいい 笑笑

それが結構ヒーリングになって、週の定例会みたいになってて。ちょくちょく音楽の話にもなったから、岩ちゃんにピアノと歌だけで作った曲を聞いてもらったりしたら、気に入ってくれて。岩ちゃんも『自分も今、音楽がやりたい』と。

で、どんなバンドがやりたいかみたいなイメージを話してるうちに、2人ともこういうスタイルがしたいって意気投合して。

2人共Sufjan Stevens(スフィアン・スティーヴンス)っていうアーティストが好きで。ああいう音楽やりたいよね、でマッチして、じゃあやるか、と。

Sufjan Stevens『come on feel the illinoise!』

スフィアン・スティーヴンスの『come on feel the illinoise!』みたいに、楽器が何層にも重なってて祝祭感があふれてるような曲がイメージにあって、理想的だった。

あとは、Bon Iver(ボン・イヴェール)とか、(Sandy) Alex G(サンディーアレックスジー)も意識してたかも。いわゆるUSインディーだなぁ。

楽器がいっぱい欲しかったってのがある。

当初は他にも何個かバンドをやってて。ピアノはCuttyScooner始動のときくらいに始めて。ドラムは高校生からだけど、ピアノは最近。たまたま家にあったからね。

今までガンガン系のロックバンドやってたけど、あ、おれほんとにやりたかったのこっちじゃないな、ってなって。こういう系統の音楽やりたいって人も周りに居ないし、自分でやろう!って、ピアノも独学でやって。

 

歌について

ライスは歌の節回しとかが、個性的だよね。ここで抜くんだ…ってとこでずらしたり、歌がすごい独特で好き。あれは、なんなん??

Chet Baker(チェットベイカー)Amy Winehouse(エイミー・ワインハウス)とかから影響受けてる気がする、、2曲めはエイミー・ワインハウスを真似しようとしたけど、まぁ、練習もしてなかったから、これは、もう、なしで、うん(笑)

小さいときからそういうの聞いてたから。自分の好きなタイミングで歌う、っていうのが身についてて。それをやりたい、思い通りに表現したいと思ってた。

J-popとか日本の曲を幼い頃から聴き続けてると、やっぱタイミングを合わせないと!っていう潜在意識があって、いざ歌を崩そうとしても全然崩せないのね、私とかは

でもライスは普通に鼻歌とかでその”抜き”をやってるから、もう聞いててクヤシィ〜!ってなった、羨ましいって思って。

型にはまらないというか、とらわれてないんだね。

そうそう。ノラ・ジョーンズとかも、昔から好きで。おれの母親がインドネシアの人だから、日本のアーティストとかより海外の音楽ばっかきいて、自由な感じだったから。

もともともコピーバンドサークルをやってて。そこでソウルっぽいのとか結構聞いてて、その影響とかもある。

自分のイメージに近付こうとして、まだまだ練習中。練習、足りてないんだけどね、これは別に謙遜とかでなくて。今後も理想のイメージのためにやろうと思ってる。

 

バンドメンバーについて

(クレジットは全部で5人になってるけど)他のバンドメンバーについて聞いても?

あそうそう、実は正式メンバーは、おれたち2人だけで。

他はサポートメンバーとして、折坂悠太バンドとかでやってる青野さん(バンジョー、マンドリン、ギター、クラリネット)、TAMTAMとかでやってる堀さん(トランペット)、あと、ギターのしゅうとくん。しゅうとは幻の5人目で、多忙な人だから4曲目だけリモートで遠隔で参加してくれて。だから俺以外の3人は会ったこともなくて、しゅうとという波形データでしか見たことない。

青野さん(Twitter)と堀さん(Twitter)2人は色んなとこでやってて。2人共引き出しが多い人で。きっかけは、俺に顔の広い宮坂っていう友達がいて、彼が紹介してくれて。

2人ともめちゃくちゃ良い人だったよね…。一緒にできてよかった。

わたしもライスも人見知りで、最初ガチガチになっちゃってちゃんとコミュニケーションできなかったね笑

青野さんは、実は弦楽器だけじゃなくてクラリネットも弾けるのもチラッと知ってて(笑) 『ここ…もしかしてクラリネットとか入れられたりします…?』って聞いたら『アッ…じゃあ…いいですよ』とか言って、サラッと次のスタジオから楽器一個増えてたりとか。ほんと快くやってくれて、めっちゃいい人で。

青野さん、欲しいところに欲しい音をスッと入れてくれるというか、、。なんというか、要所要所で、ここに旗を立ててください、ってのを汲み取るのが上手くて…。我々が分からないようなフェードインアウトの差異だったり、モタりだったり、ミックスの定位で印象が変わったりとか、そういうところを指摘してくれて凄く助かった。場数を踏んでるから、曲の作り方とかも良くわかってる人だし。

例えば、2曲めのSugar gliderなんだけど、1:40〜らへん、Cメロで若干静かになって、またAメロに戻って盛り上がるんだけど、、。そのAメロ入りからマンドリンがトレモロで「タカタカタカ…」って盛り上げてくれる、一気に雰囲気変わって視界が開ける感じ。曲ってこうやって作っていくんだって勉強になった。クラも上手いし。

言葉で過剰に説明しなくてもイメージが伝わりやすくて。多分、こういう音楽が好きなんだな〜と思った。こんなにイメージと実際の音がうまいことマッチすること、なかなかないのでは。方向性の不一致(笑)とかでうまくいかないとか普通にあるから。

ワタシは「音」自体が好きなので、堀さんのエフェクター使いとか、音色変化を間近で聴けたことがよかった。1本のトランペットでこんなに音変わるんだ〜って毎回衝撃的で…笑。
音への探究心すごいし空間の使い方とか残響コントロールも上手いし、ピッチと和音がちょっとでもズレてたら正確に指摘してて…。

わたしテキトーすぎてテイクごとに若干ベースライン変わっちゃってたんだけど汗、実はそのベースラインとの和音の兼ね合いで、微妙に毎回ソロ組み直してくれてたりとか。

個人的にとても好みな音があって。1曲めのLeadの2:36〜ぐらいから始まるソロなんだけど。
それ聞いた瞬間に「なんてドラッギーなんだ…!」と思った笑。
音でトリップする感覚というか、全身が弛緩して自律神経整う感じというか、、、、

(笑)

レコーディング中も倍音の出し方とか教えてくれたよね。

口からいろんな音が出ますね、と言ったら返事が、『趣味だから』って。笑

趣味だから本気になれるってことか、かっこええ。

 

曲作りのイメージについて

曲作るときって、事前に何かしらのイメージがあって決めるのか、
それとも後で曲としてまとまってから決まるの?

2人とも映画とか映像が好きだから、映画音楽を作るイメージで曲を作り始めたんだよね。『こういうシーンがあったらこういう曲をつくる』みたいな。

最初はライスがピアノと弾き語りで簡単なデモを作って、そこからイメージとか映像が浮かび上がってきて、あの映画っぽくしたいねって。映像とかテーマを最初に決めてるかな。

(藻の写真よい)

↑この会話やばいな 笑笑 「ぁあ!!!」って意思疎通できてるのさすが。
ソラリスとは…。藻、とは……。(笑)

1曲目のLeadが、雨→街っていうテーマになったから、映画のタクシードライバー(ロバートデニーロ主演)をイメージして歌詞を作ってたらこのラインが来て…笑

(一同爆笑)

デニーロの内側 笑笑笑笑笑
岩ちゃんも「知りたいわそんなん」って素でキレるよそりゃ

「その時のイメージとか感情を吐き出してんだけど、今見たらほんと何言ってんのかわかんないおれも。」

言葉にならない感情を吐き出す過程が面白いね。

今回のEPは、人によっていろんなイメージに捉えられるよね。

バンド音楽とか全然詳しくない自分の知識の範囲だと、Vampire Weekendみたいだな〜と思った。

XXYYXX(エレクトロのアーティスト)のアコースティック版ぽい、とか引き合いに出されたこともあるよね。面白い。人によって聞こえ方は違うしね。

基本は映像音楽がベースになっているというか。コロナの時何もできなくて、iphoneで撮った映像に音とかつけてた。作った映像はツイッターにも一応載せてる、一応…

笑笑笑笑 これほんと好き 笑笑笑笑

今は更新止まってるんだけど、また別の形でやりたいね〜

 

歌詞について

歌詞はどうやって作ってるの?

歌詞というより、鼻歌で歌を作り始めてから、あとから単語を空耳アワーみたいに当てはめていった感じかも、、、

にゃんびぃえーてすぅわ〜…」みたいな謎言葉を、「意味なんて無い」ってフレーズに書き換えたりしてた、最初。どう考えても無理があるんだけど、、、

すげえ。

ライスの歌い方はさっき言ったみたいな崩しとか、母音の感じとかすごい上手だから、それはどうしても残したくて。

日本語ってどうしても固くなるから、今回の楽曲と響きが合わない。英語にしようとも試みたけど英語も空耳アワー状態だからもうむちゃくちゃになってきて(笑)。今見返したら、なぜか私は“NASA”って単語を最初の歌詞に何回も入れてる(笑)

うやむやな感情を無理に歌詞に決め込むのも、興ざめ感があるよね。
歌う時も「まず歌詞を覚えなきゃ」となるし。

だから、皆すごいな。と思う。あれがどうしてもできないし、無理にしようとすると良さが消えちゃうから、そうしてまで歌詞にこだわらなくてもいいな、と。
今回は時間もなかったから、鼻歌が延長の造語のままにしてる。

ライスの書く歌詞好きなんだけどな。
これ、5曲めsheの歌詞なんだけど良くないかね?

えっ……めっちゃいいね………才能感じるわ。
絵の題材に幸せを”、ってのもいい。これ、めっちゃいいねー。
詩集とか出せそう。ほんとに。

歌う、ってなるとまた難しいんだけどね。
語呂が良いのを考えないといけないしね。

封をあく、の、あく、の部分が良いよね。昨日拾った青い鱗(うろこ)、も。私の日常において鱗はたぶん拾わないから、、、。

(一同、熟読。)

深みがあるよね。いいよね。

アートワークについて

アートワークもすごいよね。あれは、どうやって作ったの?

(ジャケ写)

レコーディングが終わった後に急いで作ったんだけど、アルバム通して水のイメージが先行してて。水とか霧とか水滴とか泡とか、移ろって消えてゆくものがなんとなく自分の頭の中にあって。曲自体もいろんな楽器が交代で入ってるし。

あと、何層にも楽器が重なってるから、レイヤーみたいなのも表現したくて。色々考えてたら、あれだ、窓拭きだ!とある日ピンと来て。

めっちゃオシャレな窓拭きやな。

知り合いの中で、手が綺麗そうでヒマそうな子(笑)に手当たり次第連絡したら、ひとり見つかって(まゆかちゃんほんとにありがとう!)、ライスの家で撮った。

(まゆかちゃんに1年分の窓を拭いてもらいました)

あそうだそうだ。レイヤーっていうテーマもあるんだけど、境界線をなくしたい、っていうイメージもあって、、、

実はガラスが間に挟まってるけど、このジャケットだと一見手が合わさっているように見える?よね?、、、その境界線が揺らいでる、みたいなのをアートワークで表現したくて。色々撮ったんだけど、最終的に手が合わさった1枚が象徴的だったから、今のジャケットになった。

ちょうど同時期に、さっき言ってたBon Iver(ボン・イヴェール)って人のアートワークを見たんだけど、そのレイヤー感が好きで、、、。MVとか見ると、なんだろうな、インターネットのタブがたくさん開いてる!みたいな映像で、それにも影響受けてる。
編集ソフトいじって2枚の写真を合わせたら良い感じになったから、これで出そう、と。フィルムで拡大してるから画質が悪いんだけど…。それもインターネット感ということで、、。

アートワーク、本当にめっちゃ良い。
テーマもすごい意味があって感動した。
てか、自分たちで何でもやりすぎてすごい 笑笑

お金を節約しよう…と思って。笑
レコーディング代がやばかったよね。『がんちゃん!!がんちゃんっ!!』って。

明細見て震えてたよね。次は、ちゃんとね、金額とか、計画立ててやろうね。

もう、いくらでも出す!みたいなノリで行ったら、えっ高っ!!って。

何テイクもやったからね。ライスは極限までテイク重ねる人なんだなと思ったけど、サポートのお二人も、顔色一つかえず録音ブースにスッと消えていって仙人みたいだった、、、、すごかった。。。

自分でやるってなると、ほんとにこれで世に出して良いのかな、とか分かんなくなってきて。

全曲お蔵入りにする!?出さないほうが良くない!?』って血迷ったりして、がんちゃんに聞いたり。自分のレコーディングとかは慣れてなかったから。

全曲お蔵入りはさすがに落ち着け 笑笑笑

私が仕事で行けなくて、ライスが1人で歌(ボーカル)を録った日があって。
昼休みに『助けて!!』ってラインが来てて。笑

アートは正解がないから、もっといける、とかも思っちゃうからね。

SKINSの理念でも “自分が正解と思うことこそOK“って掲げてるけど、それが一番難しいよね。

このアルバムを聞いた時、音は爽やかだけど、どろどろした感情を感じた。
普段、鬱憤溜まってたのかなーって。それがまた、深みを増してるよね。

サラッとはさせたくなかったかも。少なくとも、曲を作ってたときはポジティブな感情ではなかったよね。アーーッとかいいながら作った。アッアーッもうだめだ!!って。

話してる最中に頻繁にそうなってたよね(笑)アーッ!って頭を抱え込むみたいな。今はだいぶ健康になってるけど、うん。

その時は1番仕事で悩んでて。自己肯定感も低くなってたし、1番やりたいのは音楽だし。曲作ろう!!仕事やめよう!って。で、仕事やめて2・3曲くらい一気に出来て

好きで音楽をやってるから、お金のためにやり始めるとまた変な方向になるから。そこは難しい所。

今後はもっとピアノうまくなりたいし、ジャズが弾けるようにもなりたい、いまはとりあえず練習だね。ジャズの知識があったらもっと幅が広がるから。ピアノはおばあちゃんの家にあった古いやつで、調律師にも来てもらって音を整えた。
ピアノが無かったら、今の曲作りもやってなかったと思う。

マネタイズのところは難しいよね。それが本当に幸せにつながるのか。
日本だと、やっぱ成功してるかどうか、とか数字はどうなの!?とか結果を見られがちじゃない?表現活動をしてても、自称芸術家とか夢追い人とか言われちゃうよね。
アート活動ってそんな単純なものじゃないし、資本主義的すぎる。

成功って運とか人脈とか、時代もあるから、売れてないものが悪いわけではないし、有名なものが良いものとは限らない

みんなが知らないものでも、良いものは良い

だからこうやって、私もせっかくskinsを開設したから、良いものを創ってる身近な人のことを、コツコツ周りに広めたい。というわけで、1番身近なアーティストにインタビューしたわけです。

それにしてもアマチュアバンドとは思えない作品の作り込みようで、話してるだけでもその深みを味わえて幸せだった・・・。根本的な価値観の部分もskinsと通ずる部分を感じる。

何より全てを抜きにして、音楽自体がとってもおもしろい。インタビューしたあと、曲を聴きながら書き起こしたよ〜

CuttyScoonerの音源は、SpotifyでもAppleMusicでも聴けます(もし気に入ったら、Bandcampで購入しても◎)

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